「韓国」初日の出観光列車にイソウロウ

〜第3部 楽しい列車の旅〜


深夜の太白山脈を激走!ツアー列車は初日の出を目指します。


↑最後部の客車からは真っ暗な中に時折光輝くレールが延々。
500人のツアー客を乗せ、列車は山の向こうの初日の出の海岸を目指します。
 

4425列車、深夜の太白線を行く

 



深夜の太白線は闇の世界。車内がすっかり眠りにつく中、列車は山岳の線路を黙々と走ります。

窓の外は氷点下の世界。静寂の中にジョイント音だけが続きます…
 

 

(参考)
4425列車のルート


太白線を走破した列車は太白三角線を経由して東栢山駅から嶺東線に入ります。


桶里駅からは更に険しい山岳区間になります。オメガループを下り、興田駅〜羅漢亭駅の羅漢亭スイッチバックで高度を下げ、東海駅には未明の4時58分に到着します。

3時50分、桶里駅通過

 

嶺東線に入った列車は深夜の桶里駅を通過。この辺りの区間は数年後の新トンネル開通により消え行く運命にあります。

深夜の下り坂 〜 スイッチバックを目指して

 

桶里駅を過ぎた列車はオメガループを下りながら走り深浦里駅を通過(3,4番)します。ジョイント音に急カーブのフランジ音を軋ませ、険しい下り坂を越えます。

次の興田駅と羅漢亭駅の間はスイッチバックにより最後部の客車を先頭に走ります。客車が先頭に立つ時は、通常車掌さんが最後部から前方注視を行い、無線で誘導にあたります。が、この列車は観光ツアー列車ですので、(乗務事務所所属の)車掌さんが乗っておらず、ツアースタッフとして乗車中の鉄道公社・営業部の方が車掌さんの代役を行います(2番)。無線機と懐中電灯を持って「(スイッチバック区間での誘導は)初めてなんだよな〜」と少々緊張した感じです。早速機関車から無線が

機関車「4425列車車掌、こちら4425列車機関士。車掌どうぞ」
営業さん「はい、車掌です」
機関車「無線機の状態はどうですか?」
営業さん「感度良いですよ」
機関車「間もなく羅漢亭スイッチバックですので、後方客車から前方監視してください」
営業さん「分かりました。監視を行います」
興田駅「こちら興田駅。4425は下本線に停車」
機関車「4425機関士。了解。4425列車下本線停車」


やがて左手から羅漢亭駅へのスイッチバック線が合流すると興田駅に到着します(7〜9番)。

出発進行!バック運転開始

 

列車が完全に止まったと同時に羅漢亭方面への信号が進行現示になりました。ここからは最後部の営業さんが無線指示を行います。

営業さん「4425後部、後部良好。羅漢亭向きに出発進行」
機関車「出発進行」

停止してものの数秒で衝撃も無く列車はバック運転を開始します。


 


4時9分、深夜のスイッチバックを駆け下りる

 

列車はゆっくりと長い下り坂をバック運転します。この区間は夜間の視界確保に街路灯のような照明が20〜30mおきに設置されています。

営業さん「4425後部、勾配接近〜」
機関車「電波が…(雑音)…途…無線機の電波が途切れがちだから早口で喋って」
営業さん「はい、わかりました」
羅漢亭駅「4425、こちら羅漢亭駅。」
機関車「4425列車どうぞ」
羅漢亭駅「夜間の運転、安全に行きましょう」
機関車「了解、どうぞ」

(7番) 線路の照明灯と中継信号機が混じって見づらい状態にありますので、望遠の効くカメラで前方注視のお手伝い^^ゞ
イソウロウ「営業さん、中継接近、制限です」
営業さん「中継?どこどこ?」
イソウロウ「右側の斜めに光ってるやつ」
営業さん「あ、4425後部、中継制限」
機関車「制限」
営業さん「こりゃ分からんわ…^^;」


羅漢亭駅接近

 

バック運転を3分ほど続けていよいよ羅漢亭駅が見えて来ました。

営業さん「4425列車、場内…え〜」
イソウロウ「注意、注意」
営業さん「場内注意」
機関車「場内注意」

機関車「この先に踏切があるからね。よく見ていて。」
営業さん「分かりました。(無線機を離して)踏切見える?」
イソウロウ「駅舎を過ぎたら踏切がありますよ〜」
営業さん「は〜い」

4時12分、羅漢亭駅運転停車

  

羅漢亭駅舎を右に見て(1番)、列車は踏切(3番)を越えて引き上げ線へと入ります。

営業さん「4425、踏切良好〜」
機関車「良好」

(5番) 程なく引き上げ線に進入し、ゆっくりと停止

羅漢亭駅「羅漢亭駅です。4425は制動試験を行ってから出発してください。」
機関車「了解」

列車は再び機関車を先頭に動き出し、羅漢亭駅を後にします(7〜9番)

機関車「車掌さ〜ん、もういいよ〜お疲れ様〜」
営業さん「はい、お疲れ様でした(無線機を外して)どうも、サンキュ〜」
イソウロウ「どういたしまして、お疲れ様でした。」
営業さん「あっ、そうそう!1号車のトイレが故障したから6号車かここ(8号車)のを使ってね〜」

大役を終えて営業さんは車掌室へと戻って行きました。
 

東海駅に向けて

 

羅漢亭駅を出発した列車は海辺の町、東海を目指して山の中を走ります。到着時間が近付くにつれ、車内でも少しづつ起きる人が増えて来ました。
 

4時58分、東海駅到着

 


列車はいよいよ東海駅に到着。ここで機回しを行い、いよいよ三陟線へと入ります。

未明の機回し

 

凍えるような氷点下の未明、列車はてきぱきと機回しを行います。
 

 






東海駅で機回しを行った列車は三陟線に入り湫岩駅を目指します。




湫岩駅で乗客を全員降ろした後、そのまま三陟駅まで回送され、東海駅に戻るため再び機回しを行います

5時20分、4425列車、東海発車!ラストは三陟線の旅

 

出発信号が進行現示になり、方向指示器には「三陟」のハングル文字(2番)。列車はゆっくりと動き出し、普段は貨物線である三陟線へと入ります。

暗い車窓を走ること10分足らず。5時29分、4425列車は目的地の湫岩駅に到着しました。

(5番) 深夜の酒盛りですっかりお疲れの副機関士さんと弘益会さん。起こさないよう、そっとしておきましょう^^;;


ツアー客が続々下車

 

鉄道マニア的には旅の終わりですが、ツアーとしてはここからが目玉。混乱が起きない様に号車別に下車・誘導し、初日の出を見るための海岸へと向かいます。

(左下) 湫岩駅はマイカーでの観光客向けの公共駐車場(+公園)横の築堤上に位置するホーム1本だけの駅舎の無い無人の臨時駅。冬の初日の出時期と夏の海水浴時期にだけ団体列車が走ります。

 

湫岩駅の風景

 

駅前は列車が来る日は軽いイベント状態。露天が出て夜店のような光景が広がります。また、海辺らしく新鮮な魚介類の料理を出す食堂や、日本の民宿に相当する「民泊」も多くあります。

 

スタッフのミーティング

 

浮かれて写真を撮っていたら列車の方では緊張感が。湫岩駅は列車運転のシーズンは鉄道公社の東海の事務所から帽子をかぶった専門の案内スタッフが派遣されています。帰路の列車でツアー客を出迎える時間、誘導方法など、列車に添乗する営業スタッフとを綿密に打ち合わせしていました。
 

5時58分、湫岩発車〜

 

乗客を全員降ろした後、列車は機回しの為に、終点三陟駅へと回送されます。夜明け前の三陟市の車窓を見ながら走り、6時10分、三陟駅(6番)に到着しました。

(7〜9番) 三陟駅では先に機回しをしたセマウル号(団体ツアー列車)が待機。我々の列車と入れ違いに出発して行きました。ちなみにセマウル号の方はまだ乗客が乗っており、朝早くに乗客を降ろさない様に配慮しているそうです。セマウル号はこの後、6時20分頃に湫岩駅に到着し、乗客を降ろす予定ですので、我々の4425列車よりは1時間ほど長く暖かい車内で寝ていられるようです^^;
 

三陟駅での機回し

 

早朝と言えど韓国の冬の朝6時は真っ暗。賑やかなエンジン音を響かせて機回し作業が続きます。
 

6時56分、三陟発車

 

列車は機回しを終えてD4425列車として東海駅に戻ります。留置線でしばらく休んだ後、再び湫岩へ帰りの乗客を迎えに行きます。


そして6時56分、列車は東海駅へと目指します。

 

(参考)
D4425列車のルート



三陟を出た列車は、東海駅で一旦停車。清掃スタッフを乗せて、車内清掃を行いながら留置線へと入ります。

三陟線の旅再び

 

朝も7時に迫った6時56分、D4425列車は三陟駅を後に、再び三陟線の旅になります。

(4番) 三陟海辺駅。夏の海水浴シーズンの臨時駅で、なかなか味のある駅舎です。
(6番) 湫岩駅を通過。皆が移動して海岸に集まったようで、駅前は先ほどの賑わいが無かったかのようです。

 

7時14分、東海駅到着、18分、入換開始

 

空が若干青みがかった7時14分、東海駅に到着。清掃員さんを乗せて留置線に移動します。

CDC発見!

 

客車留置線に編成が納まります。留置線には見慣れない車両が!ソウルや全州近辺で通勤輸送を担う通勤気動車CDCの姿です。

2006年11月のダイヤ改正で、釜山や光州の都市近郊輸送から撤退したこの車両は、将来江陵〜正東津〜東海〜湫岩〜三陟を結ぶ観光列車(無窮花号クラス)への改造が計画されており、現在その可能性を探るために人知れず試運転が行われています。

1号車トイレ補修不能 〜 編成組み換えへ

 

1号車のトイレを修理していたスタッフより、出発時間までには修理不能との連絡が入り、列車は1号車のトイレを閉鎖しました。ただ、このままでは1号車の乗客はトイレに6号車まで行かなければならず、乗客の利便性を図るためトイレの生きている8号車を1号車と2号車の間に挟む事となりました。

編成組み換え STEP 1

本務牽引機を切り離し、7566号を入換担当として連結します


 

 

入換作業を行うため、重連の7320+7452号を切り離し、単機の7566号を入換作業に充当します。


その頃ツアー客は

 

機関車を付け替えている頃、湫岩の海岸に集まったツアー御一行様の前に、まばゆい大きな初日の出が姿を現しました。ツアー客全員が待ちに待った瞬間です。

(左下) 初日の出を見たら朝食の時間。海辺の町で食べる美味しいヘムルタン(韓国式の海鮮鍋)は体の芯から温まります(^_^)


 

編成組み換え STEP 2

編成を少し引き出して、8号車を切り離します


8号車を残して、残りの編成を隣の側線に押し込みます

 

海辺でのドラマチックな初日の出に沸きかえっていることもつゆ知らず、入換スタッフは黙々と編成組み換え作業を行います。新年の朝でもいつも通りに安全・確実な作業を行う姿は、頭の下がる思いです。

STEP 3

2号車より後ろを残し、8号車を迎えに引き上げます


2007年最初の日が昇り、留置線もすっかり明るくなって来ました。

本務機は休憩中

 


ソウルから夜を徹して走って来た重連の機関車は機関庫で給油・点検を受け、つかの間の休息に就きます。

STEP 4

1号車の後ろに、8号車を連結します


8号車と2号車を連結して編成組み換えは完了です


着々と入換作業を進め、あっという間に編成の組み換えが完了しました。
 

 



1号車の次に8号車。次に乗ってくるツアー客は驚きそうです^^;

 






東海駅の留置線から出てきた列車は、東海駅ホームで本務機を連結します。



7566号は切り離しを行わず、そのままプッシュプルで湫岩駅へと向かいます。

8時51分、再び東海駅

 

入換作業も無事終わり、8時51分、再度東海ホームへと戻ってきました。先頭には重連の本務機を連結して(9番)初日の出の観賞を終えたツアー客を迎えに行きます。

 

進行方向→

 

 

DL3

電源

1号車

8号車

2号車

3号車

4号車

5号車

6号車

7号車

DL2

DL1

 

 

7566

99276

11208

11212

11246

11214

11226

11228

11225

11238

7320

7452

湫岩→

 

栄州

電源

化粧室

化粧室

 

 

化粧室

放送

 

 

水色

栄州

 

 

機関区

 

故障

 

 

 

 

 

 

 

機関区

機関区

 

H4426列車
三陟線経由
 速 度 種 別  ファーガッ/7100 (貨甲:平均速度25/牽引定数92.0)

東海(9:03) → 湫岩(9:13)

H4426列車、お客様を迎えに行きます

 

9時5分、列車は再び三陟線へと入ります。さっきは真っ暗だった車窓も、明けて見れば、なかなか面白い車窓だった事に驚きます。

(2番) 東海駅を出ると嶺東線(手前)、北坪線(奥)と分岐して行きます。
(6,7番) 沿線の火力発電所への引込み線。現在はだいぶ減りましたが、太白山地の産炭地から鉄道で石炭を輸送します。
(8番) 我々の初日の出は湫岩駅直前。「今年もいい年でありますように」
 

9時12分、湫岩駅到着

 

9時12分、列車は湫岩駅に到着しました。

湫岩の街を見下ろして佇む7452号。フロントガラスに初日の出を輝かせます。

爽やかな冷風の中、力強い重連機関車の眼下には湫岩の町の美しい屋根。観光列車で見付けた絶景の鉄道シーンにただただ感激です!
 

ソウルへ帰る列車、無窮花号・第4426列車のルート


帰りの列車は湫岩を9時30分に出発。太白線は通らず、嶺東線で秘境駅、承富駅に立ち寄ります。ここで昼食をとって栄州方面へ栄州の三角線で中央線に合流して堤川からは来た時と同じルートで、天安・水原・永登浦・清涼里へと向かいます。終点清涼里には18時20分。停車時間も合わせておよそ9時間の鉄道の旅が待っています。
 

湫岩駅の風景

 


しばらくするとツアー客御一行様が戻ってきました。ツアー客からすると降りたときから駅に止まっているような感覚の列車。しかし実際は多くのスタッフにより膨大な作業が行われました。

少しでも楽しい旅が出来るように多くの人の手が加わった列車。最後まで皆が楽しんでもらえるよう願って止まない気持ちになります。

9時20分、乗車完了

 

ツアー客が乗り込んだ後の駅前広場は一気に寂しくなります。初日の出と共に露天も店じまい。

 

 

(参考)
4426列車のルート


湫岩からは後方に連結しっ放しだった7566号を先頭に東海駅へ戻ります。

東海駅で最後部になる7566号を切り離し、列車は上り坂で太白山脈を目指します。

再び羅漢亭スイッチバックとオメガループで高度を稼ぎ、昼食の地、承富駅を目指します。


 

←進行方向

 

 

DL3

電源

1号車

8号車

2号車

3号車

4号車

5号車

6号車

7号車

DL2

DL1

 

 ←東海

7566

99276

11208

11212

11246

11214

11226

11228

11225

11238

7320

7452

 

栄州

電源

化粧室

化粧室

 

化粧室

放送

 

水色

栄州

 

 

機関区

 

故障

 

 

 

 

 

 

 

機関区

機関区

 

4426列車(無窮花号)
三陟線経由
 速 度 種 別  ファーガッ/7100 (貨甲:平均速度25/牽引定数92.0)

湫岩(9:30) → 東海(9:41)

 

 

進行方向→

 

 

電源

1号車

8号車

2号車

3号車

4号車

5号車

6号車

7号車

DL2

DL1

 

 

99276

11208

11212

11246

11214

11226

11228

11225

11238

7320

7452

清涼里→

 

電源

化粧室

化粧室

 

化粧室

放送

 

水色

栄州

 

 

故障

 

 

 

 

 

 

 

機関区

機関区

 

嶺東線・栄州三角線・中央線・忠北線・五松線
京釜線(第1本線)・京釜線(第3本線)経由
 速 度 種 別  ポジョン/7100 (普丁:平均速度50/牽引定数38.0)
瑞倉〜永登浦=
クッピョン/7100 (急丙:平均速度75/牽引定数23.0)

東海(10:19) → 清涼里(18:25)


9時30分、4426列車、湫岩駅発車

 

発車時間の9時30分、4426列車は予定通り500名のツアー客と共に湫岩駅を後にします。朝早く起きたツアー客も少し疲れて休む人が多くいました。10分ほど走った9時41分、東海駅に到着。後方の7566号はここで切り離され、機関区へ帰ります。
「7566号、ありがとう〜!」
 

東海駅で一休み

 



列車は東海駅で40分ほど休みます。
 

東海駅の風景

 

東海駅は嶺東線・東海岸部分の鉄道の拠点。この駅には嶺東線に3本の貨物線が集まり、貨物輸送の拠点でもあります。

ちなみに東海駅は日本のJ常磐線(JR東日本)、台湾の屏東線にもあり、不思議な縁を感じます。

(左上) すっかりこの辺りの主力となった8200号電気機関車。昔の統一号あがりの2両編成、無窮花1685列車を牽いて江陵駅を目指します。ドイツの技術を元に作られた同機は「パ〜ラ〜リ〜♪」といかにもシーメンスな(?)起動音を残して出発して行きました。
 

10時19分、4426列車、東海発車!

 

やがて信号が嶺東線・進行現示になり、4426列車は海と別れ、山の鉄路に入ります。

(4番) 弘益会さんも出動です。暖房を切った荷物室は良い冷蔵庫。暖房ホカホカの車内では冷たい飲み物が良く売れるそうです。
(9番) 山を駆け上がり、道渓駅を通過。山はここから更に険しくなります。
 

4426列車、山に挑む

 

列車は急カーブ、急勾配の連続する山岳区間へと向かいます。外からは刺すような冷風が痛いほどです^^;;
 

営業さん再び


羅漢亭スイッチバックが近付き、我々がイソウロウする最後部の車窓車に無線機を持った営業さんがやって来ました。
イソウロウ「ちゃんと寝てますか〜?」
営業さん「大丈夫、大丈夫、夜は窓が曇って大変だったけど、電源車は(前方注視に)ドア全開しなければならないから寒いね〜」

(右上、右下) 工事中の長大ループトンネルの入り口。中ではすでに全通しており、ここが開通すると一気に時間短縮が図れます。



羅漢亭駅接近

 


渓谷沿いに走る車窓の先、右前にスイッチバックの線路が見えて来ました。いよいよ羅漢亭スイッチバックです。



 

11時1分、羅漢亭駅到着


列車は再び羅漢亭駅に到着。今回はイソウロウに加え、職員の鄭さん、起きてきた本職ソウルの副機関士さんも参加して総勢4人で後方から前方注視します。

「4426列車、出発進行〜」

9両の客車を押し上げる

 


重連の機関車は9両の客車を押し上げて30パーミルの急勾配を走ります。

がんばれ、がんばれ!
 

スイッチバック 〜 興田駅到着

 

ゆっくりと坂を登り切った11時7分、列車は興田駅に到着。再び進行方向を機関車先頭にして対向列車を待ちます。

遅れている大邱からの1617列車を待って興田駅を同時発車!山間の駅に強烈な江ギゾーストノートが響きます。

山に挑む者、海を目指す者

 

興田駅を出た2つの列車。山に挑む我々はフルスロットルで加速。海を目指して坂を下りる列車は最徐行。運命の分かれ道を感じさせると言ったら大げさですね^^;

山岳路線の旅は続く

 

列車は険しい山を越えて走ります。昔からの農村の車窓、かつての賑わいの跡、旧産炭地の町並み、列車は険しい山のレールをひたすら走ります。

(8,9番) お昼ジャストの12時、列車は承富駅に到着しました。

山の秘境駅、承富駅

 



列車は山間の秘境駅、承富駅に到着しました。この駅は道路事情が悪く訪問困難なため、韓国でも秘境の駅とされ、人気が高いです。

承富駅の風景

 

今日はこの駅に2本の団体列車を集めて盛大にイベントが行われました。

ホームでは太鼓による民族舞踊が。駅からすぐの川原では山の幸を味わえると楽しさが盛りだくさん。駅も大賑わいでした。

(左下) もう一つの観光列車は7400号のトップナンバー、7401号が牽引。

12時50分、承富駅発車、山の線路はまだ続く

 

列車は山深い嶺東線をひた走ります。乗客にも大好評の鉄道の旅はいよいよ帰路に入ります。

北栄州から中央線・堤川駅を目指す

 

列車は嶺東線を走破し、北栄州(信)から栄州三角線を渡り14時9分、中央線に合流します(3,4番)
中央線を走る列車はセメント工場や山間の農村を見ながら1時間後の15時7分、鉄道のジャンクション、堤川駅に到着(7番)します。

(2番) 新年を祝い乗務員にも振舞われた色も綺麗な韓国のお餅
(8,9番) ホームにうどん店もある堤川駅。ソウル広域電鉄同様「Storyway」となった売店やうどん屋は大賑わいです。


電化路線の忠北線を行く

 

堤川駅で5分ほど停車し、中央線を走る4426列車は途中、鳳陽駅で忠北線に入ります。列車は忠清北道に入り、帰ってきた事がじわじわと実感させられます。

4426列車、ラストスパート。鉄道の旅のフィナーレ

 

忠北線から五松線を渡り、京釜線に入った列車はいよいよラストスパート。天安・水原・永登浦と乗客を降ろし、京元電鉄線で終点・清涼里駅を目指します。


そして旅の終わり。18時23分、4425列車清涼里到着

 



列車は長い鉄道の旅を終えて清涼里駅に到着。旅はここで終わりです。新年を迎える鉄道ツアーも大成功!スタッフ一同どっと疲れた様子でした。


長時間の乗務、お疲れ様でした!

 

初日の出観光列車を後にする

韓国で人気急上昇の東海岸への鉄道ツアー。鉄道を単に移動手段とするだけでなく、鉄道にしか出来ない要素を取り入れた旅行は非常に楽しい内容です。そんな人気観光列車も不眠で動かす多くの人々により支えられている事を実感します。運転スタッフ、案内スタッフ、整備スタッフ、駅のスタッフ、入換スタッフ、清掃スタッフ、サービススタッフ、観光列車を動かした多くの職員さん皆が2007年も良い年になるよう願いつつ観光列車を後にした…

イソウロウ日時
2006年大晦日
2007年元旦


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