「台湾」台灣高鐵-燕巣總機廠にイソウロウ


慶祝!台湾高鐵開業!開業2年前の2005年、試験準備当時の車輌基地にイソウロウする。


↑700Tの滑らかなフェイスフォーム。台北〜高雄を90分で結ぶ夢の超特急の顔です。
 



(プロローグ)台湾の新しい交通機関、台湾高鐵

台湾の西海岸には主要都市が多く連なっています。この都市間を結ぶのが、特急街道の台鉄西部幹線であり、2本の高速道路を走る高速バスであり、15分ヘッドに離陸する国内線であります。

しかしこの区間は混雑も激しく、早くて安全な新しい交通機関の登場が待たれました。それが高速鉄道、「台湾高鐵」です。

TGV+ICEのシステムによる欧州式で当初スタートし、加速や地震対策など台湾の風土への適合性などから日本の新幹線システムが見直されて本採用と様々な紆余曲折を得た台湾高鐵。めでたく日本初となった輸出新幹線は、その経緯から日本と欧州のシステムが混在すると言う特殊な事情の中でのプロジェクトとなりました。それでも多くのスタッフの努力により苦境を乗り越え、2007年1月5日から約3週間乗車料金を半額とするプレ開業を経て、板橋(台北郊外)〜左営(高雄郊外)間、一日19往復の開業ダイヤにてで念願の開業を果たしました。
 


無事に開業し、今日も多くの乗客を乗せて走る台湾高鐵。そんな列車を支えるのが台湾高鐵-燕巣総機廠。JR東海道新幹線なら浜松工場に相当する車両修繕や保守・点検のメイン工場に開業2年前当時イソウロウしました。台湾高鐵の表舞台を走る車両、裏方で支える車両の世界を御堪能頂ければ幸いです。
 

 

今回のイソウロウの地、台湾南部の燕巣總機廠

 

台湾高鐵の南の(暫定)終着駅、左營にも近いここ高雄県燕巣郷に台湾高鐵の燕巣総機廠があります。

ここは高鐵車輌の全般検査や大修理を行うメインの車輌工場となります。

(左下) ハイテク鉄道の心臓部、総機廠の周辺はスイカなどの農地が広がります。

いざ、日本連合のオフィスへ!

 

逆転勝利で台湾高速鐵路のコアシステムを受注した日本連合(車輌・電気など複数の日本企業の連合)。訪問当時は構内工事の関係で正門からぐるっと回った場所にオフィスの入り口を構えていました。

 

ここは明るくて楽しい「ブルーシャトー」。日本の皆様、お疲れ様です∠(^_^)

 

日本人としては是非訪問したかったのがココ。日本連合のオフィスです。畑と資材に囲まれて佇むその青い姿から「ブルーシャトー」と呼ばれ親しまれていました(^_^)

車輌メーカー、電機系統、信号系統と様々な企業の方々がここブルーシャトーで初めての輸出新幹線という壮大なプロジェクトに挑んでいました。

この日は数日後に控えた車輌搬入のため、多くのスタッフが外出中でした。

オフィスの裏庭

 

オフィスの裏手を見学します〜。資材置き場の中に多数のモーターカーの姿が見えます。

陰の主役、モーターカー軍団

 

裏手の留置場には多数の作業用モーターカーが置かれています。これらの車輌は東北新幹線(八戸延伸)・九州新幹線と日本の新幹線建設に携わってきたツワモノ達です。

高速鐵路のカナリヤ軍団はここから台北までおよそ350km。安全な軌道と安定した電源を確保すべく灼熱の地での戦いに備えています。

 


いよいよ正門へ

 



日本連合の専用車にていよいよ総機廠に向かいます。日本語の堪能なドライバーさんとも会話がはずみます。

総機廠到着〜♪

 

走ること5分、いよいよ総機廠の敷地に入ります。まだ工事中だった広大な敷地に並んだ700T型に心が躍ります。

ここは台湾!?日本!?

 


車を降りると迎えてくれたのが700T型と事業用として台湾で第2の人生を送る国鉄車輌です。

確かに台湾の地ですが、日本の車輌の溢れる風景にまるで日本に帰ってきたような感覚に襲われます。

いよいよ総機廠イソウロウ開始!

  



日本の鉄道ファンなら誰もが興奮冷めやらないこの風景の中、総機廠イソウロウ開始です〜!

日本の銘除雪機、DD14

 

まずはDD14型ディーゼル機関車から。1960年に生まれたこの機関車はDD13をベースとした除雪機関車として、台鉄R20を思わせる日本のDLとしては異色のスタイルでデビュー。雪深い酷寒の山の路線に道を開け続けました。2004年、現役を退きJR東日本から台湾新幹線(株)に譲渡。神戸の川崎重工にて1435mmゲージに改軌等の改造を受け、台湾にやって来ました。

酷寒の地で働いた鮮やかなアカウマは除雪セットを外し、台湾高鐵車輌の入換機としてここ燕巣で第2の人生を歩みます。

DD14のディテール

 

DD14 331はJR東日本の会津若松に所属し、只見線を中心に活躍しました。現在は改軌の他に連結器が改良されていますが、往年の姿を極力とどめています。

開業までは台湾新幹線鰍ェ所有していましたが、現在は台湾高鐵に買い取られています。

DD14型ディーゼル機関車

1960年、それまで蒸気機関車で行っていた線路除雪の近代化を推し進むべく作られたロータリー式除雪機関車。500PSのエンジンを2基搭載し、1基を動力用、1基を除雪用に使用されます。

現在はJR東日本に数両が在籍し、「特雪」として只見線、米坂線、上越線、奥羽線、北上線などで活躍をしています。

高鐵のオイラン車、0系先頭車

 

台湾高鐵に行った往年の日本製車輌と言えばコレ!世界の高速鉄道の元祖、0系新幹線です。

「限界測量車」として線路の建築限界を測定する為の改造を受けてここ燕巣にやって来ました。

0系先頭車、21-5035号を撮る

 

とにかく感動の対面。ディテールを撮りまくりです〜☆
 

 

21-5035はモーターを外した後、スイッチ式と超音波式のセンサーを多数取り付けられ第2の人生を歩んでいます。


※現在はオイラン車の役割を終え、新竹の六家基地に留置中。今後の動向が要注目です。
 

0系新幹線電車

東京オリンピックの開かれた1964年、世界の鉄道シーンに大きな1ページを開いた夢の超特急がデビューしました。世界に「新幹線」の名を広めたこの顔、それがこの0系新幹線です。東海道・山陽新幹線の顔として長年活躍しましたが、短編成化・リニューアルを経て現在は山陽新幹線「こだま」として今なお活躍を続けています。
 

いよいよ車庫へ!

 

往年の銘車との出会いを果たし、いよいよ700Tの待つ車庫へと入ります。

車庫の内部

 

工事真っ只中の車庫へ入ります。取材当時は各設備の工事中でしたが、この後、多数の最新設備が納入され、現在は1大車輌整備工場として機能しています。全般検査や塗装ライン、日本ではJR西日本の網干総合車両所にしか無い1編成丸ごとジャッキアップできる装置など車両だけでなく車両基地もハイテクの塊となっています。


(左上) 日本連合の入場者ボード。
 

700Tだ!

 

車庫の中にはピカピカの車輌が留置中でした。架線が通電されていなかったため、外部電源にて車内設備のテスト中でした。2006年には日本でもグッドデザイン賞を受賞した超特急は本線に繰り出す最終調整に追われていました。
 

精悍なフロントマスク

 

いよいよ先頭部に近づきます。700系から更に曲線を極めた精悍なフォルムは力強さと暖かさが入り混じり、アジア最速列車の風格を醸し出しています。見る角度によって印象が異なるこのデザインも700Tの特徴です。
 

屋根の上からコンニチハ

 

まずは屋根上を観察します。すっきり平滑な屋根上のラインにスムーズなパンタグラフ周りはスピード感に満ち溢れています。

(左上)シングルアームのパンタグラフ。現在はこの右側にVCB(真空式電源遮断機)が設置されています。
 


700Tあれこれ話 その1


700Tは100系?

700系新幹線の台湾向け発展版として広くその名が知られた700T型車輌。しかし実際に台湾を走る車輌にはご覧の通りの車輌ナンバーが付きます。

日本では新幹線は0系に始まり、100系、200系と進化した歴史があり700系が登場しましたが、台湾にとっては初の高速車輌。頭に「1」の付く車号になったわけです。画像の110-12で説明すると

1(第1次購入分)10(編成番号:TR-10編成)-12(号車番号:12号車/台北寄り先頭車)

となります。第1編成の高雄寄りの先頭車の場合は101-01となります。ここでピンと来た方もいらっしゃるかと思いますが、まさに韓国鉄道庁がフランスから輸入したKTXの車号(1+編成番号
3ケタ+号車番号2ケタ)とほぼ同じ構成です。110-12は日本式の法則に合わせるとT724-10(又は724T-10)相当、たとえ100系だとしても124-10となる訳ですので、この辺りは欧州勢の意向も垣間見ることが出来ます。

 


行き先案内「高雄行き」

 

屋根から下りるとLED方向幕が点灯試験中でした。現在の営業列車は「特快車/Super」の横に列車番号が緑色で表示されます。

(右下)「高雄」の表示。ローマ字を読まなければまさに日本にいるような感覚です☆

2007年開業時点での表示は「高雄・左營」となりますので、この「高雄」の方向幕は暫く見納めです。

次は床下から

 

次は床下にオジャマします。アジア最速列車の床下は新幹線を産み育て上げた日本の技術陣の英知が集結しています。

(右上) 車輌間のヨーダンパ。乗り心地を向上すべく採用されました。
(中上) アジア最速へ導くモーター。常夏の地をグイグイ引っ張って走ります♪
 


700Tあれこれ話 その2


“AMBITIOUS TAIWAN!”!?

今や東海道・山陽新幹線の多数派となった700系。“AMBITIOUS JAPAN!”として装飾されていたJR東海車と“JR700”のJR西日本車(3000番台)があります。双方は各所で違いがありますが、最大の相違点は機器の配置にあります。西日本車はメンテナンス性を優先した機器配置とし、東海車は重心・安定性を優先しています。700Tは本場日本の700系よりも早い300Km/hで走る必要があるなどの事情から、機器配置はJR東海の700系“AMBITIOUS JAPAN!”に準じた形となりました。

700Tはさしずめ“AMBITIOUS TAIWAN!”といった感じでしょうか…^^ゞ

現在キャンペーン終了に伴いJR東海車の"ANBITIOUS JAPAN!"装飾は撤去されています。
 


それでは車内へ

 

目の前にある夢の超特急に興奮納まらぬ中、車内へと入りま〜す

700Tの編成

高雄
Kaohsiung

1号車

2号車

3号車

4号車

5号車

6号車

7号車

8号車

9号車

10号車

11号車

12号車

台北
Taipei

種別
Type

Tc

M2

MP

M1

T

M1S

MP

M2

M1

MP

M2

Tc

種別
Type

定員
Capacity

63

96

88

96

83

66

61

96

88

96

88

68

定員
Capacity

台湾高鐵は12両編成。動力は4両おきに1ユニット(3M1T)を構成します。高雄側を1号車とし、グリーン車に当る商務車は6号車、その他は普通車となります。車椅子対応の座席は7号車にあります。また、トイレは奇数号車(7号車は車椅子対応)に、5号車には車販準備室があります。車輌の長さは先頭車が27m、中間車が25mとなっています。

※実際の商務車にはグリーン車マークはありません^^;;

普通座の内部

 

普通車の内部。700系新幹線と同じ2列+3列の5列シートです。ゆったりした車内は居住性も抜群で快適な移動ができます。
 

普通車のディテール

 

初めて乗った印象は「広い!」の一言。天井の丸みが「ゆったりした500系(?)」っぽい印象を受けましたが、700系と部品を多く共用しているそうで、実際は700系と大差が無いとのことです。

(右上) 對號座(指定席)と自由座(自由席)の表示機。

(右中) 座席表示。通路側は「走道」、窓側は「
窗邊(窓辺)」で表示されています。
 

豪華座席のラグジュアリー空間、「商務座」

 

次は6号車。日本のグリーン車に当る「商務座」を。シックな色合いのゆったりシートは豪華と機能性を両立させています。
 

商務座の車内

 


自強號はおろか観光列車も顔負けの広い座席。まさに「鐵路のファーストクラス」です(^_^)

7号車の車椅子対応席

 

7号車には車椅子対応の座席が4席あり、バリアフリーにも対応しています。

(右下) 万一に備えて車掌さんを呼べるボタンが備わっています。
 

その他設備

 

その他の設備を観察します。

(上中) 6号車の車長室。割と広い作りです。
(中左) 車輌の端には荷物置き場があり、スーツケースも収容可能です。
(中央) 飲料水の自販機。どんな飲み物が出るか楽しみです(^^)/
(中右) 5号車には車販準備室があり、簡単な食事の準備も可能です。
(下中) 出入り口にある車掌さん用のドア開閉スイッチ
(下右) 欧州規格にて設置された非常用のハンマー。国際特急「eurostar」等でも御馴染みです。

 


700Tあれこれ話 その3


欧州へ行った700T

ヨーロッパへ行った新幹線と言えば英国ヨークの鉄道博物館の0系が有名ですが、700Tも何と台湾をはるかに越えて欧州へと旅立ちました。

行き先はスコットランド、行ったのは700T営業車輌ではなくモックアップです。台湾高鐵では車輌に欧州規格の安全基準が求められたため、車輌がその厳しい基準を満たしていることを証明するためにモックアップをスコットランドの試験場に送り、内装材の燃焼試験など多岐にわたる安全確認試験を行いました。

JRの700系とも部品を共有し、日本国内の安全基準もクリアしている上、欧州規格もクリアした700Tはまさに「世界を駆けるポテンシャルを秘めた新幹線」なのです。

いよいよ運転室

 

いよいよ700Tのコックピットを目指します。700Tは乗務員扉が無く、客室から運転室に入ります。
 

700Tのコックピット


アジア最速列車のコックピット。シンプルな機器でゆったりしています。
 

運転室のディテール

 

700Tは2ハンドルマスコン。ブレーキも横軸ハンドルを採用していますが、空気圧計と3つのモニターは最近の新幹線と同じ構成です。

 


700Tあれこれ話 その4


キャブに生きるTGV

700Tのキャブに溢れる表示にはイラストが多用されています。このイラストに良く似たものをTGV系の韓国KTXのキャブでも見ることができ、両者を並べてみると良く分かります。

実はこのイラストはフランス人デザイナーによるもの。それゆえパンタグラフ下降やドア操作、VCB系統等はTGVとほぼ同じです。そして上記画像真ん中の黄色地に黒い横線、その下に「30」の表示、これはTGV系では信号故障時に車上信号を使わずに運転の際、点灯する表示で「制限速度30Km/h以下」の意味があります。700Tでは「救援モード」。列車故障時にもう1編成を連結して2編成重連で回送する場合に制限速度を30Km/h以下とし、モニター全面に点灯させます。

ヨーロッパに近い新幹線車輌、様々な国籍のドライバーが運転し易い様、視覚に訴えるTGVのデザインが活きています。

※中段のドアスイッチは、KTXでは「運転席からドア開閉を行う」スイッチですが、700Tは「車掌さんのドア開操作を許容するスイッチ」と違いがあります。

 

運転席観察


運転席を観察します。ハイテク機器の塊ゆえのシンプルな機器配置がカッコイイです〜

(左上) 700Tの鼻先を内部から。中は意外と広く、汽笛用の空気管などがあります。



700Tあれこれ話 その5


新幹線のこだわり、13ノッチ

新幹線を加速させるコントローラー(マスコン)は0系の時代から一貫して奥にあるレバーを手前に引き寄せるタイプです。このレバーには「ノッチ」と言う10〜13の位置(車種によって違う)に固定されるようになっています。

700Tはコントローラーの構造的には溝の無いノッチレスで作られています。ノッチレスは通常TGVやICE、台湾鐵路のEMUやPP等で見られるタイプですが、新幹線のDNAを受け継ぐ700Tは日本の新幹線同様、ノッチがあります。構造的にはノッチレスのレバーをメカ的に13段のノッチとして収まるようにしています。緻密で正確な運転操作が出来るようにとの配慮は新幹線の伝統とこだわりを感じさせます。

これにより運転中の700Tのキャブでは「ガタン、ガタガタン、ドドドッ」と重厚で高級感溢れるノッチ音が響き渡ります。
 


車庫を後にする

 

各所試験の真っ只中の列車を降り、車庫を後にします。

動作テストで御多忙な中撮影に協力していただいた高鐵関係者・整備士の皆様、おじゃましました〜感謝!m(__)m



(中段右) 先頭部カバーが保管中でした。

 

再び外へ

 

イソウロウを終え、外へ出ます。外では入換を終えたDD16と700Tが休憩中でした。

DD16型ディーゼル機関車

 

最後に紹介するのは鉄道模型でも有名だったJR東日本・大宮工場の入換機、DD16 20号機です。この機関車も国鉄色塗り替えの上、改軌されて台湾にやって来ました。

(中段左) DD16のキャブ。「常用/重なり/保ち/運転/緩め」の日本のDLに搭載されている自動ブレーキ弁と台鉄のS200をはじめとするアメリカ式ブレーキ弁ではブレーキ弁の操作が違うため、台鉄出身の入換機の機関士さんは操作を覚えるのに苦労したとの事です。

現在は台湾新幹線から台湾高鐵に買い取られ、燕巣の主力入換機として活躍中です。
 

DD16型ディーゼル機関車

1971年、ローカル線の蒸気機関車置き換え用として作られた機関車。DE10を更に短くしたスタイルに800PSのエンジンを搭載し、簡易線を中心に小運転に活躍しました。

また一部車輌は専用のラッセルヘッドを取り付けて除雪作業も出来るように改造を受けています。

現在はローカル線の客貨運用自体が皆無に近く、入換や業務用の小運転、冬季のラッセル運用がメインとなっています。
 

燕巣総機廠を後にする

台湾の交通機関に革命を起こした台湾高鐵。日欧の激しい入札合戦に競り勝ち、新幹線の技術を受け継ぎ世界を駆ける可能性を秘めた車輌、700Tはここ燕巣を拠点に数え切れないほどに試験が行われ、多くのスタッフと昼夜を共にしました。その情熱と幾重もの苦労に支えられ、アジア最速の列車は今日も台湾の地を駆けます。

「産みの親」である日本の技術陣から巣立ち、厳しい走行で疲れた列車に安全と活力を与える燕巣総機廠は「育ての親」としてますますの発展を願いつつ、燕巣総機廠を後にした…
 

イソウロウ日時
2005年5月



ご多忙な中、貴重なお時間を割いて案内してくださった関係者の皆様には心から感謝いたします。ありがとうございましたm(__)m
 



(おまけ) 
空港からもう待ちきれない!!

〜桃園空港入国からすぐ新幹線に乗ろう!〜
(原文・写真 2007年1月現在 : 最終更新2008年5月)

 

台湾の空の玄関、桃園空港は日本からも多くの航空便が発着する台湾を代表する国際空港です。桃園空港は高鐵桃園駅からも近く、空港に到着後、ホテルのチェックインよりも何よりも、いち早くこの新しい新幹線に乗って見たいと気持ちが高ぶる鉄道ファンも多いと思います。また桃園空港から高雄方面に行く場合も一度台北に出るより高鐵桃園駅から列車で南下することは大変有効な時間の使い方になります。そこでおまけ企画として「How to 空港→高鐵桃園(?)」を簡単にまとめてみました。

※台湾高鐵は開業したばかりで運賃制度や運行ダイヤなどがめまぐるしく変化しています。本文と現地の事情が違っているリスクがありえる事を御承知ください。万一当ページの情報により損害を経た場合の一切の補償も出来かねます。旅行計画の作成には代替案の準備など十分注意してください。

PART1.空港から高鐵駅へ

桃園空港から高鐵桃園駅までは30分おきに運行する路線バスが便利です。所要時間は15分程の、料金は20元(2007年1月現在:約70円程度)とお気軽です。※2008年5月時点で30元になっています。

(1番) 飛行機を降りて入国審査・荷物引取り・税関・両替を済ませ、送迎口に出るといよいよそこは台湾!両替袋にバス代の10元硬貨が2枚以上入っているか確認し(無ければ売店でガム・ジュース等を購入して入手しておきましょう)、空港内の案内標識を見ながらバス乗り場へと向かいます。空港庁舎内のバス待合室から外に出て「
統聯客運(Ubus)」の停留所看板を目指します(高鐵桃園行きは705番、統聯客運のバス停看板はそう多くないのですぐに見つかります)ちなみに第2ターミナルの乗り場では7〜20時の毎時25分・55分でした。※2008年5月時点で15分ヘッドとなっています

※その日の空港の混雑状況などで入国に掛かる所要時間が大幅に変わります。オフシーズンの平日で飛行機も空いていたら、飛行機着陸から入国審査等を経てバス停前に立つまでの時間は40分程。年末や夏休みなどで飛行機も混雑、入国審査では他便とも一緒になった場合は2時間弱掛かることもありますので計画建ては流動的に行うことが必要です。

(2番・3番) 台中などの長距離バスに紛れて、緑一色の日本のものにもソウルのGバスにも良く似た路線バス「705番」が現れれば、高鐵桃園行きです。少しダイヤより早かったり、車道の真ん中に止まったりする事もありますので、緑一色のバスが来たら要注意です(第1⇔第2ターミナルの連絡バスもU-busの緑一色ですので要注意です)705番のバスであれば日本語でも良いので「乗りま〜す」と手と声を上げてドアの開いたバスに意思表示をしながら歩み寄りましょう。
バスに乗る時は、運転士さんの横にある料金箱に30元(10元x3枚)を入れればOK。大きい荷物は車内の「行李放置区」に置いて(5番)、後は高鐵桃園まで路線バスの旅を満喫です☆

(6番・7番)車窓左手に新幹線の高架が見えて来ます。この高架が地下に潜ればもう高鐵桃園駅。駅前をかすめてバス停車場に停車します。駅の建物(8番)は高架駅で無いので地方空港のターミナルのような雰囲気があります。

 

PART2.切符を買おう(窓口編)

 

桃園駅に入ると切符を買います。台湾高鐵では現在全席指定席となっており、ここでこの日の空席が無ければアウトとなります(>_<)。しかし桃園→板橋の1区間であれば理論上は桃園の下車客の数だけ空席がありますので、予約が無くても乗れる確立が高くなります。※2008年5月現在、指定席が満席でも自由席が連結されています。


切符購入は窓口と自動券売機がありますが、桃園駅の自動券売機はまだ現金対応していないのと、日本(や台湾以外の国)で発行したクレジットカードは使用不可ですので、窓口購入が現実的です。
※2008年5月現在、大手提携の日本のクレジットカードも使用可能になりました。

窓口では日本の新幹線より発券に時間が若干掛かります。列の進み方は空港の搭乗手続きや銀行ATMのイメージに近いです。列に並んでいると案内員さんが列の一人一人に前もって行き先などを聞いて来る事もありますので、乗車区間や希望時刻、商務車や標準車の希望を所定用紙書いてもらい、自分の順番が来たときにそのメモを窓口さんに渡せば発券もかなりスムーズに進みます。

※ 2008年5月現在、窓口では「シテイセキ」「ジユウセキ」と日本語で聞かれます。希望の座席を告げて発券してもらいましょう。
※ 台湾高鐵(新幹線)と台湾鐵路(在来線)は別会社です。日本のJRの新幹線-在来線のような乗り継ぎ券は発券できません。JR新幹線と私鉄乗り継ぎの様に降りた駅で最終目的駅への切符を買うことになります。

ちなみに取材時(2007.1.12)は15時25分空港発のバスで桃園駅に15時40分に到着、15時45分頃から並び始めて15時55分に切符を手にしました。

 

PART3.切符を買おう(販売機編)

現在は日本人的にはメリットの少ない券売機ですが、切符購入前の空席確認や話のタネ^^;などに活用できます。

(2番) 初期画面。現在の扱いは指定席のみですので、指定席の場合は画面の「對號座」を指でタッチ
(3番) 単程票(片道)、去回票(往復)を選択します
(4番) 行き先の駅名を選択(この画面以降、決定し次の画面に進むのは右下の「確認」をタッチ)
(5番) 人数(上段:大人/下段:子供)を選択。大人は10枚まで、子供は0〜9枚まで発券可能となっています
(6番) 乗車日時の選択
(7番) 希望乗車時間の選択(15分単位)。16時11分に乗りたい場合は16:00で選択します
(8番) 空席状況の表示と希望列車の選択(画面の場合は16:11発16:25着は商務車・標準車共に空席。17:11発17:25着は標準車のみ空席。それ以降は全車空席なし)
(9番) 確認画面。日時・料金を確認します。購入の場合は「確認」で次の画面に行き支払い方法に応じてカード投入となります(カードは台湾発行のもの限定ですので、日本のものや現金は使えません 2007.1.12現在)。確認のみで終わる場合は左下の「取消交易」をタッチして初期画面に戻します。
 

PART4.いよいよ乗車!(板橋まで行ってみましょう)

切符を手にしたら自動改札機へ投入します(2〜4番)。自動改札機には磁気面を上にして投入します。北上列車(板橋・台北方面)、南下列車(台中・左営方面)のホームに注意してエスカレーターを降ります。

ホームの白線の内側で列車を待って出発です!
 

PART5.いよいよ新幹線体験!〜板橋への旅〜

♪ピロリロ〜ピロリロ〜とホームに発車メロディーが流れたら発車時間です。♪キンコンキンコンとドアが閉まりいよいよ出発!日本の新幹線同様にみるみる加速して行きます。

(5番) 商務車はゆったりムード。リクライニングもかなり傾斜します。
(6番) 標準車では地元TV局が取材中
(7番) オレンジのベストを着た乗務員さんは飛行機で言うアテンダントさん。親切に案内します。
(8番) 車端の自動ドアは横にある「開(OPEN)」プレートにタッチする事で開きます。
(9番) 自販機にはおなじみの飲料水。車販もありますが弁当などの食事類はありません。
 

まるで新幹線と変わりないスムーズな乗り心地と日本のようで日本で無い台湾の車窓が時速300Km/hで流れます。幾つものトンネルと明かり区間を越え、都心ムードが高まると、終点板橋到着を知らせるアナウンス(国語・台湾語・客家語・英語の4言語)が流れ、車窓左手に台鉄縦貫線が並んできます(3番)。程なく地下区間に入り、桃園→板橋の15分少々の夢の旅は幕を閉じます。板橋は鉄道の一大ターミナル。高鐵で折り返し南下するも良し、台鉄線で東部を目指したり客車に乗るも良し、MRT板南線で市街地へ繰り出すも良しです☆

(7番・8番) 到着した列車はすぐに清掃作業を開始します。10分ほどで準備が整ったら列車は清掃員さんを乗せたまま台北駅まで回送されます。※現在は全列車台北行きになり、台鉄やMRTの台北駅と直結しています。

(9番) 700Tの先頭車は大人気!親子連れから出張のビジネスマンまで多くの人が記念撮影に興じます(^_^)

日本初の輸出新幹線、台湾高鐵。是非実際に御乗車体験されることをオススメします。祝旅途愉快〜(^^)/~~
 

  トップページへ
HOME