「韓国」ソウル地下鉄2号線にイソウロウ
〜第2部 アクティブに江北を走る〜



新村、乙支路、明洞、東大門スタジアム、ソウルの都心にベストアクセス


↑夏の日差しの中、電車は軽やかに堂山鉄橋を走る。
 

2350列車の始発駅、駅番号234、新道林駅。
 

234

駅名/Station

乗換/Transfer

新道林
Sindorim

鉄道公社 京釜電鉄線 

永登浦・龍山 方面
水原・天安・仁川 方面
  
急行 天安・朱安 方面

 Korail   Gyeongbu Line

for Yeongdeungpo・Yongsan
 Suwon・Cheonan・Incheon

 

 

地下鉄公社
2号線-新亭支線

陽川区庁・カチ山 方面

 SMSC  
LINE 2-Sinjeong Line

for Yangcheon-gu Office・Kkachisan

 

新道林駅は環状線から新亭支線が分岐し、Korail(鉄道公社)の京釜電鉄線とも接続する2号線有数のターミナル駅です。地上には1号線や京仁線と直通運転をする京釜電鉄線のホームがあります。また、並行してKTXなどの都市間列車の走る長距離線があり、駅は終日賑わっています。

(中央下) 新亭支線の電車。新亭支線の列車は全て新道林駅が始発です。本線より数十センチ低い場所にホームがあります。

(左下) 京釜長距離線のKTXとすれ違いながら入線するKorailの電車(トングリ)
 

2350列車に乗客が乗り込む

 



今回イソウロウする2350列車はここ新道林駅が始発の内回り線(内線循環)です。退勤時間帯とあって始発とは言え、車内はたちまち満員の乗客で賑わいます。

17時45分、2350列車、新道林発車!

 

いよいよ扉が閉まり、2350列車は新道林駅を発車します。



戸閉めランプと共に計器パネルの照明が点くと、車掌さんからブザーで合図があります。それを受けて機関士さんは信号確認し、発車!

「電動車発車〜!」

電車は走る

 



新道林駅を出た電車はさっきまでの回送運転とは違い、ぐんぐん加速して行きます。足元から伝わるチョッパーの駆動音も心地よく地下の線路を走ります。

2350列車快走中!

 

満員の乗客であふれる2350列車は60Km/h前後を維持しながら、次の駅、文來を目指します。


235番、文来駅

235

駅名/Station

乗換/Transfer

文來
Mullae

 

 

遠くに明かりが見えると最初の停車駅、駅番号235番、文来駅に到着します。

ソウルの地下鉄では全ての駅に3桁の駅番号が付いており、韓国語が分からなくても駅番号を追いかけて目的地まで行くことが出来るように配慮されています。ちなみに2号線の駅の駅番号は200番台です。
 

機関士さんのブレーキワーク

幾つもの駅を寸分狂わず、しかも衝撃無く駅に停車する機関士さんのブレーキワーク。日ごろの何気ない電車停車シーンに隠されたその素晴らしい技術を垣間見てみましょう

. 駅への進入は、ホームの乗客に最大の注意が必要です。ブレーキは5,6段にしたまま、50〜60Km/hでホームに進入します

停止位置まで

約200m

速度

50〜60Km/h

ブレーキハンドルの扱い

5〜6段で維持

 

. 停止位置の車両半両分(約10m)ほどを目安に一気にブレーキを全て緩めます。緩む過程で歩くほどの速度に落とすのがコツです。

停止位置まで

約10m

速度

10〜5Km/h

ブレーキハンドルの扱い

緩解もしくは1段、車両の緩解を体で確認

 

4. 車両が完全に停止したら戸閉め表示の消灯を確認して。無事停車完了です。
 

停止位置まで

0m

速度

0Km/h

ブレーキハンドルの扱い

発車まで現位置で保持

 

. 停止位置票を見ながら少しづつブレーキの段数を上げます。急いで上げると衝撃が大きくなりますので注意が必要です。

停止位置まで

約3m

速度

5〜0Km/h

ブレーキハンドルの扱い

徐々にブレーキの段数を上げ、車両が停止したら更に1段上げる

 


文来駅発車


数十秒の停車の後、電車はすばやく発車します。

 

永登浦区庁駅
 

236

駅名/Station

乗換/Transfer

永登浦区庁
Yeongdeungpo-gu office

都市鉄道公社 5号線 

汝矣島・麻浦 方面
金浦空港・傍花 方面

 SMRT   LINE 5

for Yeouido・Mapo
 Gimpo Int'l Airport・Banghwa

 


車内の方からオルゴールとウグイスの声のアナウンスが聞こえると5号線との接続駅、永登浦区庁駅です。

(左下) 金浦空港や汝矣島方面に行く都市鉄道公社(SMRT)5号線

永登浦区庁発車!

 


戸閉め灯と共に車掌さんからのブザー合図にて電車は発車します。

2号線の信号機

 

2号線の信号装置はATSによるものです。約200m間隔で設置された信号機の指示により速度が決まります。

G(進行:) 最高速度80Km/h以下
YG(減速:) 速度65Km/h以下
Y(注意:) 速度45Km/h以下
YY(警戒:黄黄) 速度25Km/h以下
R(停止:) 列車停止

日本のATS-Pのように速度超過した場合は常用最大ブレーキで制限速度以下に減速されます。(停止信号は除く)

ちなみに信号機の下には閉塞番号が書かれた数字があり、右画像のCは第4閉塞を意味します。さらにこの数字に200mを掛けてやると次の駅までの目安の距離が出ます。

ちなみに2号線では、通常の閉塞の他に、速度制限区間を徐行させる目的で前方の信号が進行(G)であっても、常時、減速(YG)表示をしている信号機もあります。
 

地上へ!

 

しばらく走ると電車は地上へ。高架区間となり、堂山駅に到着します。堂山駅からは鉄橋で漢江(川)を越えるため、地下から一気に地上へと駆け上がります。
 

堂山駅〜漢江鉄橋

237

駅名/Station

乗換/Transfer

堂山
Dangsan

 

 

電車は堂山駅に到着。目の前には漢江を渡る堂山鉄橋が待ち構えます。

漢江越え@

 


堂山駅での客扱いを終え、電車は堂山鉄橋へと踏み出します。機関士さんはノッチいっぱいに電車を引っ張って行きます。

(左中段) 屋根に緑のドームがあるのが国会議事堂

鉄橋の風景

 

釣り人を横目に電車はアーチも美しい堂山鉄橋を走ります。

この堂山鉄橋、1996年に構造上の問題から架け替えが行われ、現在は2代目となります。
 

漢江越えA

 



漢江の静かな流れと美しいソウルの街並みを見ながら電車は漢江を越え、再びシェルターのようなトンネルへと入ります。

 

再び地下へ

 

橋を渡り、電車は再び地下に潜ります。地下区間に入り、明かりが見えると合井駅です。 

 
合井駅

238

駅名/Station

乗換/Transfer

合井
Hapjeong

都市鉄道公社 6号線 

広興蔵・大興 方面
ワールドカップ競技場・鷹岩(循環) 方面

 SMRT   LINE 6

for Gwangheungchang・Daeheung
World Cup Studium・Eungam(Loop)

 

電車は合井駅に到着。ここからは漢江の北、いわゆる「江北」地区となります。

(左下) 合井駅では6号線に接続。ワールドカップ競技場や梨泰院へアクセスします。

 


合井出発〜弘大入口駅〜新村

239

駅名/Station

乗換/Transfer

弘大入口
Hongik Univ.

 

 

合井駅を出発した電車は学生の多く集うエリアに突入します。弘大入口(3,4,5番)に停車、そして新村駅へと目指します。
 

17時58分、新村駅

240

駅名/Station

乗換/Transfer

新村(地下)
Sinchon

 




ソウルの学生の街と言えば、昔も今もここ新村。電車は滑り込む様にホームへと入ります

新村の風景

 



若者の街、新村には2号線と鉄道公社京義線の2つの駅があります。混乱を避けるように2号線の新村駅の駅名板には「新村(地下)」と書かれています。

(右下) 地下鉄の新村駅から数100メートル歩いた所にある京義線新村駅。味のある駅舎が印象的です。

コチラは長距離線の扱いの駅なので地下鉄や電鉄線との乗り継ぎは出来ません。

梨大駅〜阿[山見]

241

駅名/Station

乗換/Transfer

梨大
Ewha Womans Univ.

 

242

駅名/Station

乗換/Transfer

[山見]
Ahyeon

 

 

電車は梨大、阿ヒョン(→山へんに見)駅とサクサク停車して行きます。
 

2号線の車内

2号線の車内の様子。最近の車両は不燃化改造によるアコモ改良が行われ、話題のステンレス椅子と共に明るくきれいな内装となりました。

(下段中) 最近設置されたディスプレイ式の広告装置
(下段左) 
「弱暖房車」と書かれたステッカー。ちなみに3号線には「弱冷暖房車」なる車両もあります
 

忠正路駅〜市庁駅

243

駅名/Station

乗換/Transfer

忠正路
(京畿大入口)
Chungjeongno

都市鉄道公社 5号線 

エオゲ・孔徳 方面
西大門・光化門 方面

 SMRT   LINE 5

for Aeogae・Gongdeok
 Seodaemun・Gwanghwamun

 

(1〜3番) 忠正路駅に到着。再び5号線と接続。ここからは5号線と絡み合うようにして都心を横切ります。

電車は地下区間を走りいよいよソウルの核心部、市庁駅へと到着します(7〜9番)
 

18時05分、市庁駅

201

駅名/Station

乗換/Transfer

市庁
City Hall

地下鉄公社 1号線

ソウル駅・龍山 方面
東大門・清涼里・議政府 方面

 SMSC   LINE 1

for Seoul sta.・Yongsan
 
Dongdaemun・Cheongnyangni・Euijeongbu

 

日本で言う「市役所前」、市庁駅。ここは京釜、京仁、京元電鉄へ直通運転を行う1号線との接続駅で、常に多くの乗客で賑わいます。

(左上) 2号線の遺失物(忘れ物)センターは市庁駅の構内にあります

(右下) 6番出口を出ると市庁(市役所)前広場になります。この日は戦後60年を記念して市庁の外壁が韓国の国旗(太極旗)で埋め尽くされていました

出発待機

 

多くの乗客で賑わう市庁駅でしばし出発待機をします。

市庁駅出発〜乙支路入口駅

202

駅名/Station

乗換/Transfer

乙支路入口
Euljiro 1(il)-ga

 

 

市庁駅を出発した列車は乙支路(通りの名前)に沿って地下を走ります。乙支路入口駅(2〜4番)、乙支路3街駅(7〜9番)へと続きます。

乙支路3街駅

203

駅名/Station

乗換/Transfer

乙支路3街
Euljiro 3(sam)-ga

地下鉄公社 3号線

薬水・玉水・狎鴎亭 方面
景福宮・大谷・大化 方面

 SMSC   LINE 3

for Yaksu・Okusu・Apgujeong
 Gyeongbukgung・Daeguk・Daehwa

 

乙支路3街は都心部を南北に縦断する3号線との接続駅です。

余談ですが、ソウル都心の駅には「○○路△街」のような駅名がいくつかあります。ここ乙支路3街は日本風に意訳すると「乙支通り3丁目」駅のようなニュアンスです〜^^;

 

乙支路4街駅〜東大門運動場駅

204

駅名/Station

乗換/Transfer

乙支路4街
Euljiro 4(sa)-ga

都市鉄道公社 5号線 

鐘路3街・光化門 方面
東大門運動場 方面

 SMRT   LINE 5

for Jongno 3(sam)-ga・Gwanghwamun
 Dongdaemun Studium

 


電車はソウルの中心部を駆け抜けます

乙支路4街(4,5番)から東大門運動場までの区間は5号線も並行します





内回り2350列車は颯爽と東大門運動場駅に滑り込みます。
 

東大門運動場駅

205

駅名/Station

乗換/Transfer

東大門運動場
Dongdaemun Studium

都市鉄道公社 5号線 

乙支路4街 方面
青丘・新金湖 方面

 SMRT   LINE 5

for Euljiro 4(sa)-ga
 Cheonggu・Singeumho

 

 

地下鉄公社 4号線

明洞・三角地 方面
東大門・吉音・タンコゲ 方面

 SMSC   LINE 4

for Myeongdong・Samgakji
 Dongdaemun・Gireum・Danggogae

 



東大門運動場駅は大きな野球場とサッカー場を擁する駅です。そして名の通り東大門市場へのアクセス駅でもあります。

(左下) ソウルの地下鉄でも長大路線の1つ、4号線と接続します。

新堂〜上往十里

206

駅名/Station

乗換/Transfer

新堂
Sindang

都市鉄道公社 6号線 

漢江鎮・梨泰院 方面
安岩・月谷・烽火山 方面

 SMRT   LINE 6

for Hangangjin・Itaewon
 Anam・Wolgok・Bonghwasan

207

駅名/Station

乗換/Transfer

上往十里
Sangwangsimni

 

 

電車は新堂(2,3番)〜上往十里(5,6番)と駆け抜けます。地下深くを多くの電車とすれ違いながら進んで行きます。
 

18時17分、往十里駅

208

駅名/Station

乗換/Transfer

往十里
Wangsimni

都市鉄道公社 5号線 

乙支路4街 方面
青丘・新金湖 方面

 SMRT   LINE 5

for Aeogae・Gongdeok
 Cheonggu・Singeumho

 

 

鉄道公社 京元電鉄線

西氷庫・龍山 方面
清涼里・城北 方面

 Korail   Gyeongwon Line

for Myeongdong・Samgakji
 Dongdaemun・Gireum・Danggogae

 


電車はひときわ明るいホームの往十里駅に到着。地下では5号線と、地上では漢江の北岸を走る鉄道公社京元電鉄線と接続します。

将来は盆唐線もここ往十里駅まで延伸開業し、更なるターミナル駅へと進化を続けます。

往十里駅〜漢陽大駅

209

駅名/Station

乗換/Transfer

漢陽大
Hanyang Univ.

 




往十里駅を出た電車は漢陽大駅へと到着します。

ホームの端には2度目の地上区間が見えています。

(9番) 地下区間の出口に電車は停車。停車時間中に目を慣らします。


再び地上へ!

 

電車は漢陽大駅を発車してすぐに地上の高架区間を力走します。長く地下区間が続いた為に、遠い夕陽も眩しく目に映ります。
 

高架を快走



電車は10両の長い編成をうねらせて夕暮れの空気の中を駆け抜けます

トゥクソム駅

210

駅名/Station

乗換/Transfer

トゥクソム
Ttukseom

 

 

電車は高架駅のトゥクソムに到着。都心から少し離れて車内の混雑も落ち着きを取り戻します
 

一昔前の風景 〜 地下鉄の車内販売?

 

路線を問わずソウルの地下鉄に乗っていると時折、募金や日用品の販売を行う場面を見かけました。もちろんこれらは地下鉄公社の認可無しに行っている違法販売です。

最近は快適な地下鉄を目指す地下鉄公社等運営主体の努力により激減しましたが、少し前のソウルの地下鉄ではよく見られました。


車両も乗客も駅の雰囲気も日本とは似ていながら、日本では考えられないこのようなシーンは、まさに「地下鉄で知る外国庶民文化」でした^^;
 


内回り2350列車の終着 〜 聖水駅

211

駅名/Station

乗換/Transfer

聖水
Seongsu

地下鉄公社
2号線-聖水支線

龍踏・新設洞 方面

 SMSC  
LINE 2-Seongsu Line

for Yongdap・Sinseoldong

 

線路の両脇に聖水支線が寄り添ってきたら前方には、聖水駅が姿を現します。2350列車はここが終点。ですが、1分の停車時間の後、内回り2408列車と列車番号を変えて、新道林駅へと目指します。
 

18時22分、2350列車、聖水駅到着〜


2350列車は静かに聖水駅に停車。これから2408列車としてとしてソウルの新興都心、江南地区へと踏み出します。環状線の旅も半分を終えました。


第3部ではおしゃれな江南地区を走りソウル一周の旅が続きます〜☆
 

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