「韓国」京義線 西小門踏切にイソウロウ



ソウル駅から徒歩5分。韓国一忙しい踏み切りにイソウロウする。

↑最高速度300Km/hの高速列車KTXもここでは最徐行で通過します。
 

韓国国鉄の踏切

 

韓国の踏切は当初日本の警報機を導入した流れから、日本のものとそっくりな姿をしており、台湾同様、非常に親近感が湧きます。

(左上) X字標識に書かれたハングルは「止まれ」。

(右上) 制限高4.5mの標識。

(左下) 遮断機にあった製造名板。金星通信(現在のLG)の文字が見えます。

警手さんのいる西小門踏切



西小門踏み切りはソウル駅から数百メートル北の京義線上にあります。京義線の列車も通過しますが、通過列車の大半が沿線のKTX高陽基地や在来線水色車両基地とソウル駅、龍山駅を結ぶ回送列車となっています。


この区間はおよそ2〜3分おきに列車が来る為、常に2〜3人の警手さん(案内員)が列車、自動車、歩行者を安全に通行できるように誘導します。

韓国では幹線の踏切にはおおむねこの様な警手さんがおり、踏切事故の防止のため日々最善を尽くしています。

都心の踏切
 



西小門踏切はソウル駅や南大門市場などが近く、車や人の往来も多いです。

(左下) 「踏切前は一旦停止。確認して渡りましょう」の横断幕
 

列車接近!

 

日本より少し重めの「ガーンガーン」という警報音が鳴り列車接近を知らせます。」

韓国の踏み切りの警報音は地域差もありますが、日本の一部の地方私鉄の駅構内にあるようなベル音「チン、チン、チン」と鳴るタイプが多いです。


程なく遮断機が降りて列車を迎えます。
 

列車が通過!


営業を終えて水色の車庫(ソウル列車事務所)へ帰る無窮花号回送と水色の車庫から出庫し、ソウル駅へ向かうセマウル号が踏み切り上ですれ違って行きました

 

西小門の風景@

 



その後も数分間隔で列車がひっきりなしにやって来ます。


(左上) とりあえず新CI仕様のセマウル号。

キャブからの眺め

 



回送列車の機関車からはこの様に見えます。西小門踏み切りは、交通量が多く、曲線、真上に高速道路が有り、柱で視界も悪く非常に神経を使う場所ですが、警手さんたちの活躍で安全に通過する事が出来ます。

西小門の風景A

 

ひっきりなしに列車が往来し、列車通過後は堰を切ったように車と待ち人が踏み切りを渡って行きます。

KTX通過!

光州からやって来たKTXも車庫へ帰ります。高速列車もここでは速度を落とし20Km/h〜30Km/hくらいの速度で走ります。
 

KTX通過中


TGVベースの車両がアジアの都心の踏切を通過してゆきます。

実際に眺めているとアジアとヨーロッパの融合したような風景に不思議な思いがあります。

西小門の風景B

小一時間いるだけで様々な列車を見る事が出来ます。

 

KTX入れ替え線

 

KTX開業後、踏切脇の貨物入れ替え線をソウル駅発着のKTXにも使用できるようにしています。ホーム転線入換時に踏み切りを鳴らす事無く入換が可能で、西小門踏み切りにいればちょくちょくKTXが入れ替え線にやって来るのが見えます。

 

日も暮れて夜の風景

 



すっかり日も暮れて、再度イソウロウ。日が暮れても西小門踏切の忙しさは相変わらずです。

夜の踏切の風景


夜になると、歩行者の認識が難しくなる分、警手さんも神経をとがらせます。

夜になり警手さんも白旗から誘導灯に持ち替えます。

 
踏切事務室

 


事務室にもミニイソウロウします。2坪程のプレハブ小屋には職員の休憩用に飲み水の機械やテレビも完備しています。

(左上) 事務室内の踏み切りのモニター板、往来列車の方向や故障が分かるようになっています。

(左下) 青い半円形の箱が遮断機の下降/上昇スイッチです。警報機作動は自動ですが、遮断機の操作は警手さんが手動で行います。

西小門の風景C

 



夜と言えど、眠らない街、ソウルの人出は相変わらず。車も人も列車も良く行き交います。

KTXも家路に

 

夜になると一日の仕事を追えたKTX車両が続々とやって来ます。時速300Km/h運転と言う過酷な任務を終えて、安堵の様子で、ネグラである高陽基地へと向かいます。

家路に帰るKTXに「今日も一日お疲れ様!明日も無事に一日が終わりますように〜」と声を掛けてやりたくなるシーンです。


(下6枚) 家路に着くKTXを横目に今日のKTX最終便、大田行きKTX161列車がソウル駅へと出勤(?)します。

 

 

西小門踏切を後にする


↑地方に向かう夜行寝台車も出庫して来ました。

韓国で一番忙しい踏切は、緊張感を絶やす事無く今日も多くの列車の往来を見送っています。高速鉄道も開業し、次はいよいよ京義線の南北連結が待たれます。

いつの日か、この踏切にも大陸からの長距離国際列車が通過する事を夢見ながら、韓国一忙しい踏切、西小門踏切を後にした…

イソウロウ日時
2004年5月



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